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hospital theatre project
About
Hospital Theatre Project

​毎年参加していて、確実に手ごたえ、本人が楽しんでいる様子、参加しようという意思の育ちを感じます。

ストーリーがとても素敵で、最後はいつも読んでいる本に自分が映り、主人公になった感じがしたと思います。

目の近くで動くもの、光るものを見せてくれて、よく見ていました。手で触れられるものもあって、感じるものがあったようです。​

​初めてのもの、たくさんの人、いつもと違うことが苦手なので、まさか手を伸ばして触ったりできるとは思いませんでした。

​好きなものがはっきりとわかりました。温かさを感じ、とても心地よい空間でした。もっと広がっていくといいと思います。

​色んな音や触感、においを感じて味わっているようでした。最初は脈が高かったので、初めての場所にドキドキしていたようですが、ボウルの音を聞いてから、スーッと脈が下がっていたので、好きな、落ち着く音なのかな?

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ご寄付のお願い

ホスピタルシアタープロジェクトは、皆様からの寄付をお願いしています。公的・民間助成を得ていても、それだけでは十分な活動が実施できないでいます。

是非ともご支援くださいませ。

TPNファンド

シアタープランニングネットワークは、2010年度、教育や福祉の場で活用しうるクラウン手法を学び、施設や病院を訪問する事業を実施したことを皮切りに、2011年度の「クラウン&アクター協働プロジェクト」を経て、2012年度より、ホスピタリティとしての演劇を届ける「ホスピタルシアタープロジェクト」として名称を変更し、活動を展開してまいりました。大きな病院から、小さな児童放課後ディサービス、障がい者福祉事業所、障がい児の親の会…様々な場に、ささやかな演劇的な喜び、楽しみを届けることを続けてきました。
 しかし、いつもどこか「自己満足」を越えられない苛立ちを覚えてきました。社会に認知されにくいという環境の問題もありますが、子どもたちの笑顔と出会っても、何かが足らない、何かが違うという思いを消せないできました。ひとつには、演劇鑑賞のコンベンション-約束事の存在です。舞台と観客席は区分され、観客はじっとして、大人しくしていなければならない。もっと自由であってもいいのに…。楽しければ、一緒に踊ってもいいのに…。
 そこで、2015年度のホスピタルシアタープロジェクト(2016年2~3月)では、巡演に加え、こども教育宝仙大学(東京都中野区)の校舎をお借りして、プロムナードパフォーマンス『妖精の国オープンディ』を開催し、この自由に挑みました。

 この経験が、もっと障がいの性質を理解し、もっと想像的な美しい体験を届けないという、さらなる動機となり、さらなるプロジェクトへとつながりました。

2016年10月、日本財団のご支援を得て、英国の劇団オイリーカートから芸術監督ティム・ウエブ氏と美術監督クレア・ド・ルーン女史をお招きし、東京と仙台で、インクルーシブ・シアターのセミナーとワークショップを開催いたしました。幼い子どもたちから、様々な障がいをもつ子どもたちに対して、35年にわたって、演劇作品を創造し、優しく寄り添ってきたお二人から多くのことを学びました。そして、私の違和感は間違っていなかったことを確認できました。しかし、同時に、どれだけ準備不足だったかを思い知りました。

劇団オイリーカートが、教えてくれたのは、次のようなことでした。
<多感覚演劇>
五感を刺激し、美しい体験を提供する様々な想像的な遊びとビジュアル。
物語を届け、わからせるのが目的ではない。
<少人数の観客>
障がい児のための公演の場合、1公演あたり、子ども6人とその家族・介護者。
家族・介護者も楽しみながら、パフォーマーとともにケアする存在。
<異空間へ誘うアプローチ>
開演前に、パフォーマーがロビーで子どもたちを迎え、コミュニケーションをとる。
<舞台と客席>
子どもたちを制限しない自由なレイアウトと安全な環境。
<一人ひとりに寄り添う>
子どもの反応に反応していくテーブルトップパフォーマンス。
<年齢や異なる障がいへの対応>
同じ作品でも、構成・内容の変更を行う。
障がいによっては、記憶を長く留められない子どももいる。
同時に多くのことを把握・処理できない。ムーブメントはひとつひとつ。
シーンとシーンのあいだの「深呼吸」
<自閉症スペクトラムの求めるもの>
誰と出会い、どのようにパフォーマンスが展開し、終わるのか等を紹介する事前資料(ソーシャルストーリー)の作成・提供。

 改めて、全てが日本に欠いている、と実感するとともに、つい頭をもたげるのは、日本では無理なのではないかという思いです。しかし、それでも始めなければ!と自分に言い聞かせ、2016年度のホスピタルシアタープロジェクトとして、チャレンジいたしました。東京でのオイリーカートのセミナー&ワークショップでご協力いただいた東京都新宿区の福祉事業所・施設のシャロームみなみ風の地域交流スペースをお借りし、劇場空間でこそありませんが、一般的な公演に近い形での上演を実施しました。2017年度には、東京都福祉健康財団のご支援を得て、都内4か所でのツアーを行いました。続く2018年度も、全日本社会貢献団体機構のご支援のもと都内4か所で上演をおこないました。
  2017年度の「アラビアの風にのって」、2018年度の「白い本のなかの舞踏会」は、多くの障がい児、医療的ケア児、その家族にかけがえのない体験をもたらしたと自負しております。施設や病院を訪問して、子どもたちのいる場所での上演も重要であるという信念は揺らぐものではありませんが、障がいをもつ子どもたちの社会体験としての演劇のあり方も模索していきたい。そして、社会に見える形にもしていく必要性がある。私どものこれまでの経験に、オイリーカートの理念と実践を取り込みながら、そしてアドバイスを頂戴しながら、また、英米で広がるリラックス・パフォーマンスの理念と実践もとりいれながら、私どもなりのインクルーシブ・シアターを創造し、障がいをもつ子どもたちへ優しく寄り添う美しい体験を届けたいと願っています。教育でもなく、福祉でもなく、子どもたちのいまの「生」を祝い、わかちあうパフォーマンス。

 2019年度は、初めて年2回の創造&ツアーに挑みました。5月、アーツカウンシル東京の女性による「カントリー・ガーデン―エリザベスおばさんの不思議ななかまたち」、そして、10月から3か月にわたり、全日本社会貢献団体機構のご支援を得て、「アラビアの風にのって」をリメイクして、「アラビアの空のかなた」をお届けしました。

​ また、3年ぶりにティム・ウェブ氏とアマンダ・ウェブ女史をお招きし、2度目のセミナー&ワークショップを開催することができました。初めて文化庁の主催(委託)事業として実施できたことは、大きな力となりました。

 ティムとアマンダに新たに勇気づけられて迎えた2020年度-公演創造・ツアー自体を文化庁の主催(委託)事業として実施できることになりましたが、新型コロナ・ウィルス感染症の蔓延に右往左往しました。継続支援事業として10月、若いメンバーを募ってトライアル公演を行いました。そして、満を持して、覚悟を決めて、11月から12月にかけて、できうる限りの感染症対策を施して、『森からの贈りもの』を創造し、4か所(7日間)の公演ツアーを実施しました。その経緯や対策、様々な視点からのオブザベーションは、報告書にまとめました。ご一読いただければ幸いです。

 そして、2021年度。いまだ新型コロナ・ウィルス感染症の脅威と闘いながら、今年度も文化庁の主催事業として採択いただき、いま少しずつ今年度の公演の準備を始めています。初めて8月~9月にかけて、上演する予定です。生活に様々な制約があるからこそ、子どもたちの遊びと好奇心を大切にし、感覚不全に陥らないために、心に余裕がもてるように、多感覚演劇をお届けしたいのです。

 いつまでも子どもの心、センス・オブ・ワンダー(不思議な感覚)を追い求めながら、新しい表現に挑戦しながら、一人ひとりの子どもたちの心のなかに、ご家族の心のなかに、優しく美しいマジカルな世界をお届けしたいと願っています。

                         2021年5月22日(更新)


                         プロデューサー 中山 夏織 
































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